『ディパーテッド』は、見事なキャストと、監督の素晴らしい演出が光る映画だ。
映画『ディパーテッド』は、2006年に製作された、マーティン・スコセッシ監督による作品だ。
マーティン・スコセッシ監督は、言わずと知れた名監督だ。
過去に、『タクシードライバー』や『ウルフオブウォールストリート』を製作しており、
オスカー賞を含める数々の賞を獲得している。
そんな彼がこの作品で主要キャラとして起用したのは、
の3人だ。
どう見てもヤバい作品に間違いないでしょ。
と思わせる超豪華かつ、圧倒的な実力を兼ね備えているキャスト陣だ。
この作品のストーリーとしては、
ギャングのマフィア組織のボスであるフランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)がスパイとして警察に送り込んだ、コリン・サリバン(マット・デイモン)と、
ギャングに潜入する警官のビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)との戦いを描いた作品だ。
この映画は、『インファナル・アフェア』という台湾映画のリメイク版とのこと。
そんなの知らんわ。
って映画見た後に調べてたらその情報を見つけました。
この原作版もめっちゃ面白い作品だったらごめんなさい。
ともかく、『ディパーテッド』。
文句なしに面白かった。
演技が素晴らしい
ジャック・ニコルソンの文字通りの怪演。
狂気に満ちた演技は、『シャイニング』での彼の演技を思わせるものがあった。
そして、主演を務めたレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン。
二人ともスパイとして活動する役だ。
「優等生っぽい見た目をして、正体はマフィアの人間」という役のマット・デイモン
「やんちゃで純真な一方で、家族関係の問題を過去に抱える警官」という役のレオナルド・ディカプリオ。
はまり役でしかなかった。
ここのキャストのセンスも、スコセッシ監督の手腕が光っている。
大胆なカット
退屈な映画は、だいたい一つのシーンが無駄に長くて、
このシーンに意味はないんじゃないかと興味が削がれることがある。
しかし、この作品のカットは大胆で、一気に時間を進めることで、
年単位での時系列の流れでも、常にテンポを持った展開を作り上げていた。
大胆なカットは賛否が分かれそうな使われ方のようにも感じたが、
僕はこれほどまでの大胆なカットをする監督のセンスにすごさを感じた。
音楽を「切る」演出
この映画では、バラエティあふれる音楽が使用されている。暗いトーンの楽曲もあれば、ハイテンポな楽曲もあった。
音楽そのものも素晴らしかったが、
この音楽を場面の切り替えのタイミングで「切る」演出が素晴らしかった。
ハイテンポな音楽が流れているところで、
場面や映す人の切り替えをする時に音楽を切ることで、
映画全体に緊張感が生まれ、その場のリアルな雰囲気が見事に表現されていた。
また、音楽が切れる前とあとで、その場の空気感を対比的に表現しているように思った。
銃撃戦での、一瞬の停止
この演出も素晴らしかった。
映画後半では、警察側とマフィア側で銃撃戦が行われるシーンがある。
この銃撃戦で、人が撃たれる時に、
画面が一瞬止まるという演出があった。
これはまさに『タクシードライバー』での最後の銃撃戦の演出と全く同じであった。
撃たれる瞬間を写真のように切り取ることで、よりその瞬間を人々に印象付けていることがわかる。
この作品がとても面白かっただけに、原作版であるインファナル・アフェアも一度鑑賞してみようと思う。