名もなき映画日記

年間約150本映画を観ている大学生が、映画の感想と考察を中心に書いているブログです。

『ノクターナル・アニマルズ』でみる男と女の幸せのあり方

映画『ノクターナル・アニマルズ』は、2016年に製作された、トム・フォード監督による作品だ。

 

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あらすじ

スーザンは夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。 ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。才能のなさや精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。 彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。(filmarksより)  

 

この映画は、20年前まで婚姻関係にあったエドワードという男とスーザンという女の二人の話である。 

 

エドワードという男が、元妻であるスーザンに対して捧げた小説を、

彼女の視点から読み進めていくというのが話の基本的な本筋だ。 

 

 

 エドワード役はジェイク・ギレンホールが演じた。f:id:yu_asai:20181223214911p:plain 

 

 

そしてその元妻であるスーザン役はエイミー・アダムスが演じた。

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圧巻の演技

この二人の演技は圧巻であった。

ジェイク・ギレンホールの、過去に元妻に裏切られた悲しみを表現する姿や、それでも彼女のことを愛する姿勢は、圧巻だった。

 

またエイミー・アダムスも、初めは巨万の富を築き、それでも孤独を感じる女性、というだけの印象だったのが、

話が進むにつれて野獣のような狂気を帯びた内面が見え隠れしてくるのも非常に興味深かった。

 

 

主演のふたり以外の役者たちも素晴らしかった。

 

警官役を演じたマイケル・シャノンは、アカデミー賞にて、助演男優賞にノミネートされている。

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また、これも小説内で犯罪を起こした男の役を演じたアーロン・テイラー=ジョンソンは、

ゴールデングローブにて助演男優賞を受賞している。

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この二人も、狂気と復讐に飢える姿を見事に演じていた。

 

 

幸せとはなんなのか

今作では、元夫を裏切るスーザンと、それに対する復讐(?)を小説で行うエドワードの話であるが、

結局はお互いが不幸な形となっている。

 

スーザンは、自身の才覚で莫大な富を築いたものの満足できず、

裏切った元夫のことを思う悶々とした日々を送っている。

 

彼女は、自分にとって何が自分を幸せにするのかがはっきりしていないがために

エドワードからのこのような復讐を受けたのだと思う。

 

エドワードも、裏切られた元妻に20年間も固執している時点で幸せになれるはずがない。

まさに非モテの所業と言えるだろう。

 

彼のスーザンを愛する気持ちはわからないでもないが、もっと広く恋愛していればこのような「復讐」をすることにはならなかっただろうし、

恋愛工学的にもそのような考えや行動はミスと言えるだろう。

 

 

ただそれでも、エドワードがスーザンとの別れ際で言った、

「誰かを愛したら努力すべきだ」

という言葉は、この映画のなかで一番心に残るものだった。

 

幸せの追求は、答えのない道を歩いていくものなのかもしれない。

 

 

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