『奇跡』を観た感想。
映画『奇跡』は2011年に製作された、是枝裕和監督による作品だ。
是枝監督の「情に訴える」上手さなのか、僕がこういう家族の問題に弱いのか。。。
普通に泣いちゃうんですよね。
©2011「奇跡」制作委員会
映画は、鹿児島に住む長男の大迫航一と母であるのぞみ、福岡に住む次男の龍之介と父である健次の4人の家族のつながりを中心に描かれていく。
家族4人での生活を取り戻したいと願う、兄の航一。
一方で、福岡での生活に楽しさを感じ、今のままが続いても良いと感じる弟。
それもそのはず。
龍之介の小学校には、橋本環奈、平祐奈、内田伽羅という圧倒的な美貌を持った子達がいるからだ。しかも橋本環奈演じる早見かんなと内田伽羅演じる有吉恵美とは毎日のように遊んでいる。
正直、これは兄の航一に同情するしかない。
この映画は、航一ばかりが苦しい思いを背負って、それを彼自身でなんとか乗り越えていくという話に他ならない。
なので、航一が家族を想うシーンが出てくるたびに涙してしまう。
弟と再開しようと電車で熊本に向かうシーンで、見知らぬ4人家族がホームで会うのを横目に見る姿は、こういうシーンがくると分かっていても泣いてしまう。
是枝さんの、子役の映し方が素晴らしいんですよね。
子供達が内輪で夢を語るシーン。
それぞれの子供が語る時に接写でうつすことで、自然に出る細かな表現が見事に映し出される。
そしてここでも、完全に橋本環奈の悪女感が発揮される。
あの美貌から、口を開くたびに大人顔負けの毒を吐く姿は、圧倒的なポテンシャルしか感じない。
是枝作品はかなり網羅しているので、ぜひこの場でレビューしていきたい。