名もなき映画日記

年間約150本映画を観ている大学生が、映画の感想と考察を中心に書いているブログです。

『パリ、テキサス』にて、流す涙。

映画『パリ、テキサス』は1984年に製作されたヴィム・ヴェンダース監督の作品だ。

 

4年前に妻子を捨てて失踪したトラヴィスという男が、弟のウォルトに助けられ、ウォルトの元に引き取られていた息子のハンターに再会し、自分の人生を取り戻していくという話だ。

 

テキサスの荒野を歩く、一人の男、トラヴィス

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彼が主人公だ。

 

 

 美しき妻、ジェーン。そして、

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 息子のハンター。

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この3人が中心となっている。

 

いや、この3人の家族の愛のストーリーだ。

 

 

ラヴィスは弟のウォルトに助けられ、ハンターに再会してから、失踪した理由とその心境を言葉少なく語っていく。

 

その彼の心境は、彼の言葉だけでなく、映像として残されていた、8mmフィルムの記録から見ることができる。

 

8mmフィルムに映る、若かりし頃のトラヴィスとジェーン。

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この「8mm」のシーンが僕は大好きで、何度も泣いた。

 

今はもう愛し合うことができない二人。それでもこうして愛していた記憶は確かにある。

 

それを顔に出さずとも、表現してみせるハリーディーンスタントン。

 

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この、ジェーンからはトラヴィスの姿が見えない状態で会話するシーン。

 

彼が彼女の心を傷つけないようにそっと話しかける姿に、僕は泣いた。

 

自分のした過ちは決して取り戻すことはできないという事実を突きつけられながらも、

それに向き合うトラヴィスとジェーン。

 

 

ロードムービーの金字塔だと言われる所以が、この作品を見ればわかるはずだ。ぜひ見て欲しい。

 

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美しく奏でるクラシックギターとともに、目に映る彼らの記憶を、感じて欲しい。